溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
その日、朔くんに言われた通り、平井先輩には家に行くのを断った。


残念そうな顔をされたけど、深く追及されることはなく「分かった」と言ってくれたからよかったけど。


こんな人のよさそうな先輩が、なにかするなんてあるわけないのに。


朔くんてば心配しすぎだよ。


単純に子猫ちゃんたちに会えないことが、私は残念だった。



家に帰ると、私は早速文句を言った。


「朔くん、今日のあれだけど……」


「なに?」


朔くんは全然わかってないみたいで涼しい顔。


ソファに座りながら、のんきにスマホで動画なんか見てる。


私は、はぁ……とため息をつきながら諭した。


「私にノート返してきたでしょ? ……しかも、小春って呼んで……」


「それがなにか?」


「なにかじゃないよ!」


私はソファをバンとたたいた。
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