溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
一緒に住んでることを内緒にしろって言ったのは朔くんなのに、それを自分から
壊しに掛かってくるなんて意味不明だよ。


分かっているんだかいないんだか曖昧な返事を聞いたところで、誰かから電話が掛かってきた。


「ん? 誰かな?」


電話なんて珍しいな……と思いながらソファにおいてあるスマホを手に取ると、登録していない番号からの電話だった。無機質に数字が並んでいるだけ。


「もしもし」


出た瞬間、ブチっと切れた。


……え?


取った途端切れるって、気味悪いなあ。


「どうしたの?」


首をかしげていると、朔くんはそんな様子を見ていたみたいで問いかけてきた。


「出たら切れちゃった」


「誰?」


「えっと、知らない番号から……」


「ふーん……」


用があるならまた掛かって来るかと思ったけど、しばらく待っても掛かってこなかった。
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