溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
それから何日か経って……。


体育の授業で、更衣室に行こうとすると。


「あれ……?」


うしろのロッカーに入れておいたはずのハーフパンツが見当たらなくてキョロキョロする。


どこに行っちゃったんだろう……?


「小春、どしたのー?」


私の不審な動きを察した真希ちゃん。


「あの、ハーフパンツがなくて……」


「えー? 忘れたんじゃなくて?」


「うん、絶対にあるはずなんだけど……」


使ったらすぐ洗濯して、次の体育のときに使えるように持って来ているから。


「小春、とりあえずこれ使いなよ」


蘭子ちゃんが渡してくれたのは、去年の卒業生からもらったというハーフパンツ。


うちの学校では、仲の良い後輩にハーフパンツを引き継ぐという謎の伝統があって。


顔が広い蘭子ちゃんは、いくつももらったみたい。


「うん、ありがとう」
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