溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
うしろからは全く人の気配なんてしなかったのに、急に横から人が現れて。
私を追い抜かす瞬間、思いっきり腕をひっぱられた──ような気がした。
「きゃあっ……!!」
はずみで私はバランスを崩し、残り2、3段というところで足を踏み外してしまう。
──グギッ。
踊り場に着地したとき、足首に衝撃を感じた。
現われた3人組の女子は、急に存在感を露わにして「わははは~」と笑いながら、そのまた下へ降りて行った。
……今のは絶対にわざとだ。
私がひとりになったのを見逃さず、仕掛けてくるなんて。
「いたいっ……」
痛みに唇をかみしめながら、姿の見えなくなった階段下を見つめる。
顔も学年も分からなかったけど、あの人たちもファンクラブの人なのかな。
……そうだよね。