溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
あえて、階段の上から突き落とすなんて大胆なことはしないけど、確実にダメージを
喰らわせてくる。


なんて巧妙な手口……。


久々に受けた仕打ちにひどくへこみながらも、辺りを見れば散乱したプリント。


今日の授業で使うやつなのに、汚れちゃったら大変。


足の痛みをこらえながら、這いつくばるようにしてプリントをかき集める。


「だろ~?」


その時、楽しそうな声と共に誰かが階段を降りてきた。


恥ずかしいなぁ。


顔を上げられずに、そのまま拾っていると。


「あれ? 相沢さん?」


顔をあげると、それはクラスメイトの長谷川くんともうひとり……朔くんだった。


ドクンッ!


心臓が軽く跳ねる。


こんなところをまた、ファンクラブの人に見られたらどうしようって想いと、朔くんを目にして胸が高まってしまったこのジレンマ。
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