溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「何やってんの?」


不思議そうに問いかけてきた朔くんの目線は、散らばったプリントに。


「えっと、足が滑っちゃって……」


そう言うしかないから。


へへっと笑って、ウソをついた。


「あーあ、それでプリントばらまいちゃったんだ。相沢さんてばそそっかしいんだ
ね」


そう言いながら長谷川くんは、遠くまで散らばったプリントを拾ってくれる。


「あはっ、だよねっ」


私も笑い飛ばしたんだけど、


「大丈夫か?」


朔くんは、心配そうな顔で私の隣にしゃがみ込む。


「……っ」


あまりに顔が近くて思わず咄嗟に逸らした。


寝ぼけて抱きしめられるのには慣れたのに、こんな風に不意打ちで近づかれたら、嫌でもドキドキしちゃう。


動揺に気づかれないように、かき集めたプリントをもって立ちあがた瞬間。
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