溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
ドキドキドキドキ……。


朔くん……?


そんなこと言って、ちょっと、耳元が赤い気がするんだけど。


それを見た私も、全身が熱くなっていく。


「ごめんね……」


女ギライなのに。


聞こえているかは分からなけど、そうつぶやく。


階段を置いたら下ろしてくれると思ったのに、朔くんはそのまま歩き続けるからビックリした。


「えっ……あのっ……」


私の動揺もお構いなしに、2年生のフロアへと足を踏み入れる。


これはさすがにまずいよ!


「あのっ、ちょっと下ろして!?」


私は足をバタバタさせて訴えるけど。


「黙ってろって」


「いやっ、でも」


「その足じゃ歩けないだろ。ムリに使わないで安静にしとけよ」


もしかして、教室までこの状態で運ばれるの!?


「ムリムリっ!」
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