溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「あ、ありがとう……」


「ん」


一言だけ言うと、なんてことない顔でそのまま自分の席に行ってしまう。


「なにがあったの!?」


「実は……」


ふたりに、階段での話をすると。


「それって絶対わざとじゃない!」


思った通り、蘭子ちゃんは目を吊り上げて怒った。


「ごめん、一緒にいてあげられなくて」


「ううんっ、私がぼーっとしてたのが悪いの」


「なんで小春はそうなの! もっと怒っていいんだよ! だって理不尽じゃん! 永瀬とちょっと仲良くしただけで逆恨みされるなんて。こうなったら永瀬に──」


「真希ちゃん待って!」


今に、も朔くんに向かって行きそうな真希ちゃんの腕をつかんで止めた。


「だってさ、こっちはケガまでしてんだよ!」


真希ちゃんはかなり怒っている。


目には涙も浮かんでいる。


私のことを心配してくれているのがすごくわかる。
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