溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
足の捻挫は、数日ですっかり良くなった。


朔くんは、骨が折れてたら困るから病院に行けなんて言ったけど、大げさだよーって笑い飛ばした。そして、その通りすぐに治ったし。


それよりも不都合なのは、私と朔くんの関係について色んな人から詮索されるようになったこと。


この間、ノートを渡されたときの比じゃない。


お姫様抱っこなんてよっぽどのことじゃない限りしないし、みんな少女漫画の読みすぎで、もうそれは大変だった。


『永瀬くんて、小春ちゃんのこと好きなんじゃない?』


なんて、言われることもあったけど。


みんなが思ってるような理由なんかじゃない。


一緒に住んでるから、朔くんは私に優しくしてくれてるだけなんだ……。


唯一その理由がわかる私は、周りからあり得ない想像をされるたびに、胸が痛かった。
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