溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
無事で、良かった。
【朔side】
「くそっ……」
俺は、雨と涙で濡れた小春の顔を胸元に引き寄せる。
今日は夕方から雨が降ってきた。
いつも俺より先に家にいる小春がなかなか家に帰らないことを心配して、スマホに何度も連絡を入れたが応答はなく。
しびれを切らし、中学時代同じクラスだった金子の家の番号を調べ電話を掛けた。
バイト中らしく、スマホの番号を聞き、そっちに連絡を入れる。
『小春と一緒にいるのか?』
答えはノー。
そこで衝撃な話を聞く。
『アンタのファンが、小春に嫌がらせしてんのよ』
俺は愕然とした。
なんだよ、それ。
小春と毎日一緒にいるのに、そんなことになってるなんて、まったく気づかなかった。
家ではいつも笑顔で、そんな素振りは一切見せなかったから。
足の捻挫も、後ろから誰かに押されたのだと聞いた。
そんなの犯罪じゃねえかよっ!