溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
自分の気持ちに気づいて、調子に乗って浮かれて。
なにも考えずに、学校で小春に気安く声なんて掛けたから。
自分から、この関係は秘密にしておくように言っていたのに。
後悔ばかりが波のように押し寄せる。
「体拭いて着替えさせるから、どっか行ってて」
金子の視線が痛い。
そりゃそうだよな。大事な友達をこんな目に遭わせたのは、俺なんだから。
「……ああ」
なすすべもなく、俺は小春の部屋を出て行った。