溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
すごく苦しそうなその声に、私の気持ちに寄り添ってくれていることが痛いほどわかって。
「こんなときに強がるなよ……俺の前では……素直になれよ」
その言葉に、もっと涙が止まらなくなって、私はこらえきれず嗚咽を漏らした。
「ううっ……っ……怖かっ……たっ……」
「だよな、怖かったよな」
呼吸に合わせるように、頭を撫でてくれる朔くんの手はすごく優しかった……。
どのくらいこうしていたんだろう。
私の気持ちもだんだん落ち着いてきて、朔くんはそっと体を離した。
「ちょっと待ってて」
そう言うと、少し部屋を出て行って。
戻ってきたその手には、ホットココア。
「これ飲んで、体あっためて」
「ありがとう」
体を起き上がらせるとカップを持たせてくれて、その隣に並ぶように朔くんもベッドに腰かけた。