溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。



ものすごく久しぶりに、懐かしい夢を見た。


お母さんに、蝶々の絵のついた浴衣を着せてもらってはしゃぐ6歳の私。


サキちゃんと手をつないで、お祭りを楽しんでいた。


わたあめをわけっこして、お揃いのヨーヨーを指につけて。


なぜが、途中から急に今の自分になって、サキちゃんと再会するんだけど……。


今のサキちゃんの姿が分からないからか、サキちゃんの顔はぼんやりしていて分からない。


サキちゃんの顔、はっきり見たいのに。


「サキちゃんっ……」


呼べば振り向いてくれると思ったのに。


突然背を向けて去って行ってしまうサキちゃん。


サキちゃん? どうして……? 行かないで……。


「待って……!」


自分の声で、目が覚めた。


……ああ。夢だったんだ。久しぶりにサキちゃんの夢を見たなぁ。


「いったぁ……」


ズキッと頭に痛みが走る。
< 236 / 326 >

この作品をシェア

pagetop