溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
ものすごく久しぶりに、懐かしい夢を見た。
お母さんに、蝶々の絵のついた浴衣を着せてもらってはしゃぐ6歳の私。
サキちゃんと手をつないで、お祭りを楽しんでいた。
わたあめをわけっこして、お揃いのヨーヨーを指につけて。
なぜが、途中から急に今の自分になって、サキちゃんと再会するんだけど……。
今のサキちゃんの姿が分からないからか、サキちゃんの顔はぼんやりしていて分からない。
サキちゃんの顔、はっきり見たいのに。
「サキちゃんっ……」
呼べば振り向いてくれると思ったのに。
突然背を向けて去って行ってしまうサキちゃん。
サキちゃん? どうして……? 行かないで……。
「待って……!」
自分の声で、目が覚めた。
……ああ。夢だったんだ。久しぶりにサキちゃんの夢を見たなぁ。
「いったぁ……」
ズキッと頭に痛みが走る。