溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
絶対に、許さない。
【朔side】
「小春の具合はどう!?」
「熱っぽかったから休ませた」
「そっか」
早めに登校した俺は、同じく早めに登校した金子に、小春の様子を伝えた。
俺と金子は同中出身だし、金子のキャラからして、喋っていても周りからはあまり奇特な目で見られない。
「今から、寺田のとこに行ってくる」
小春にあんなことをしたグループのリーダーは、3年の寺田という女だと金子から聞いた。
……俺のファンクラブの会長とかいう、ふざけた立場のヤツ。
「ほんとに?」
「それしかないだろ。ぜってー許さねえし」
同じクラスにも仲間はいるらしいが、トップに話しをつけなきゃ意味がない。
思い出しただけで腹立たしく、俺はそう息巻いたのだが。
「ふーん」
金子がニヤニヤしながら俺を見る。