溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
朔くんに餃子作りを促すと、さすが完璧男子だけあって手先も器用なのか、突っ込みどころもないくらい上手に出来てしまい。
「わぁ……」
面目ないよ。
教えるつもりが私の出番なんてまったくないし、私のより上手なんじゃない?
「楽しいな、コレ」
次から次へと作ってくれる朔くん。
まあ、助かっちゃうからいっか!
向かい合って、ふたりで餃子を包んでいく。
ここへ来た初日は、朔くんとこんな風に餃子を一緒に作るなんて想像もできなかった。
少しずつだけど、仲良くなれたと思う。
この家に来れて、本当に良かった。
やがて夕飯の時間になって、餃子を焼く。
ジュワーッと餃子の焼ける音といい匂いが、食欲をそそる。
「朔くん、ちょっと手伝って」
お皿に盛りつけるために、フライパンをひっくり返そうとしたんだけど、これが意外と重くて。
「任せとけ」