溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
朔くんは、軽々フライパンをひっくり返してくれた。
すると、いい感じに焼き目のついた餃子が、お花みたいに綺麗に広がって盛りつけられた。
「うわっ、すげえ! 家でこんなうまそうな餃子初めてだよ。熱いうちに食おうぜ」
朔くんてば、すごい興奮してる。
そのままテーブルまで運んでくれた朔くんは、待ちきれない様子で「いただきます!」と早速箸を伸ばした。
「うまっ!!!」
「ほんとに?」
「ああ。こんなうまい餃子初めて食った」
うわぁぁ……それってめちゃくちゃうれしい!
自分の作ったものを美味しいって食べてもらえて……それが好きな人だったらなおさら。
「食わねーの?」
「へっ?」
「俺が全部食っちまうよ」
そういえば、まだ私は一つも食べていなかった。
でも、朔くんが食べているの見ているだけで、もう満足だから……。