溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

「それでもいいよ」


「ダメ。ちゃんと栄養付けろって」


すると朔くんは、餃子をひとつ箸でつかむと私の顔の前に差し出した。


えっ……?


私の目の前で、朔くんにつままれた宙に浮いた餃子。


「ほら」


って。


これは、あーん……?


「早く、口開けて」


……やっぱり?


そんなの恥ずかしいよっ……。


「早くしないとつこっむけど?」


ええっ?


だんだん近づいてくる餃子。


うわああああっ。


ギュッと目を瞑って唇につく寸前で口を開くと、餃子が押し込まれた。


ぱくっ。


一口ではかなり苦しいけど、途中でかじるわけにもいかないから、そのまま全部入れて、口を手で覆ってもぐもぐする。


は、はずかしいっ……。


朔くんがこんなことするなんて意外過ぎて。
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