溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

「わっ! すごい!」


朔くんがスリーポイントシュートを決めたんだ。私も思わず拍手。


さすが朔くんだなぁ。


そのカッコよさに、私も他の女の子と同じように顔がだらしなく緩んじゃう。


「ふーん」


そんな声が隣から聞こえて横を向けば、真希ちゃんがニヤニヤしながら私を見ていた。


やばっ!


あわてて緩んだ口元をきゅっと閉じた。


「さ、さすがだよね~。身長高いと、やっぱりバスケって有利だもんね~」


焦ってなにか弁解しなきゃって必死になればなるほど、墓穴を掘ってしまう。


目は挙動不審に泳いで、落ち着きなく身振り手振りして。


動いてないのに、汗も出てきちゃう。


「そういえばさ、あのときの永瀬、めちゃくちゃ必死だったよ?」


「へ?」


「小春が拉致られたときだよ」


あー……。
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