溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

「あんな永瀬、はじめて見た。ただの不愛想でいけすかない奴だと思ってたのに、必死に小春に寄り添ってすごく心配して。永瀬のせいで小春が傷ついたのは許せないけど、ちょっと見直した」


その時のことを思い出すかのような瞳で語られるのは、はじめて聞く話で。


胸が、小さくトクンッと鳴る。


「へー、信じらんない」


蘭子ちゃんも、驚いた顔をしている。


そうだったんだ……。


「小春だって、前はあんなに怖がってたのに、今じゃ笑顔で応援しちゃってるもんね」


肩をすくめて笑う真希ちゃんに、もう言い逃れなんてできないと思った。


「うん……私……朔くんのこと、好きになっちゃった」


ポツリ、と胸の内をこぼした。


もう、隠し通したくなんかなかった。ふたりは大切な友達だから。


「わおっ！」


色めき立つ真希ちゃんはやっぱりって顔をして、


「ほんとに？」


いつも隙のない蘭子ちゃんが、珍しくポカンとしている。