溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「うん、ほんと……」
好きな人を友達に告げるのって、すごく恥ずかしい。
体育座わりのまま、もっと身を縮める。
しかも、相手はあの朔くん。
校内1といってもいいほどの人気者。
「絶対に永瀬は小春のこと気に入ってるよ!」
「そ、そんなことないよっ」
真希ちゃんは嬉しいことを言ってくれるけど、それを間に受けるほどノーテンキじゃないもん。
「そうかなあ。脈ありだと思うんだけどなあ」
確かに、朔くんは日に日に優しくなっていっている気がする。
だけど、自惚れちゃダメだよね。
朔くんが優しくしてくれるその理由はわかってるもん。きっと、私は妹みたいなものなんだ。
いまだって、グループの中心にいる朔くんへ、熱い視線を送っている女の子はいっぱいいる。
かわいい子も沢山いる。
私なんて……。
すごく近くに居るからこそ、きっと恋愛対象にはなれない、そう思うと、胸がズキンと痛んだ。