溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
まさか……あの副会長?
小春を連れ去ったあと一瞬振り返ると、アイツは真顔でじっとこっちを見ていたんだ。
その目に、なんとなく気味の悪さを覚えたが……。
「もしかして……」
そう思ったら、すぐに行動に移さずにはいられなかった。
次の日、俺が向かったのは3年のある教室。
以前委員会で一緒になった女が、とにかく交友関係が広くて、スマホには連絡先が100件以上も入っていると自慢していたのを思い出したのだ。
ソイツなら、副会長の電話番号だって持っているはず。
こっそりソイツを呼び出し、俺の持っている番号と一致するものがあるのか教えてほしいと頼んだら。
「今日の放課後、ちょっとつき合ってくれたらね?」
なんて、色目を使ってきた。
くっそ。どいつもこいつも。
でも、小春のためなら仕方ない。
俺はソイツの誘いに渋々うなずいた。