溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
アニメ声で耳につくその声に釣られるようにそっちを見ると、私と同じ制服を着たカップルがいた。
髪の長いキレイな女の人が、彼氏の腕を引っ張っている。
「え……?」
私は、そのカップルから目が離せなくなった。
だって、彼女に腕を引っ張られているのは朔くんだったから。
な、なんで!?
見間違いかと思ったけど、あの容姿のせいか、周りを歩く女の子たちの目もみんな彼にくぎ付けになっている。
……間違いない。朔くんだ……。
ふたりはそのまま、プリクラの機械がたくさん並ぶコーナーに消えていった。
「ウソ……」
目に映るものが信じられなくて、放心状態で立ちすくむ。
もしかして、彼女……?
女ギライだから彼女なんていないって、疑ってもなかったけど。
……そうだよね。
特別な女の子くらいいるよね。