溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「うーん、いい天気! 今日はシーツを洗おう」
カーテンを開けると、まぶしい太陽の光が部屋を照らす。
もう夏本番って感じ。
そのあと、9時くらいに自力で起きてきた朔くんは、まだ少し眠たそうだった。
「ふわ~」
時折あくびをしながら、私の焼いたトーストを食べている。
こんな姿が見られるだけでいい。
こんな風に、一緒に生活できているだけでも幸せなんだよね……。
「どうかした?」
「へっ? な、なんでもないよっ……」
見すぎちゃっていたみたいで、朔くんが首をかしげる。
「なんか最近、ヘンじゃね?」
納得いかなそうな朔くんの言う通り、最近の私は空元気を振りまいているかもしれない。
だってそうしないと、失恋の傷がうずいちゃうんだもん。
これは、精一杯の強がりなんだ。