溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

体が離れないのだ。


助けてくれただけならすぐに体を離してくれればいいのに、私を抱えるその力はもっと強くなっていくばかり。


え、なんで……。


戸惑う私の体は再びギュッと抱きしめられ、徐々に熱を帯びていく。


私の顔の真上に、朔くんの顔がある。


ドクンドクン……。


やだ。朔くんのこと諦めなきゃって思うのに……。


朔くんへの想いをまた思い出したかのように、胸の鼓動は激しくなっていく。


「小春……」


熱っぽい声で、朔くんが私の名前を呼ぶ。


……え?


そして、そのままゆっくり顔が近づいてくるから、私は反射的に目を閉じた。


「……!」


──つぎの瞬間、唇に感じた、熱。


それは、朔くんの唇。


「……んっ……」


こ、これは。


キス……!?


なんで、なんでこんなこと……。
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