溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
そう思うのに体は言うことを聞いてくれなくて、朔くんの熱い唇に意識が遠のきそうになる。
私に覆いかぶさる朔くんは、キスをやめない。
でも。
「……ッ……ダメだよっ……」
朔くんの隣を歩いていたキレイな女の人の顔を思い出して、朔くんの胸を押すと。
ハッ、と我に返るように目を見開く朔くん。
シーツにくるまれた私たちは、キスをする前と同じ体勢だけど、表情はまるで違った。
シーツをポツポツと叩く雨の音。
段々と水分を含んで、白からグレーに染まっていくシーツ。
「な、なんで……」
雰囲気に流されちゃったとか? 朔くんて、そんな男の子だったの?
女の子に対してはチャラいタイプじゃないって思ってたのに。
「ごめんっ……俺……」
余裕なさそうに、紡がれる言葉。