溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
待って待って。
朔くんが私を、好き……?
空耳を聞いているのかと思って、ポカンと口を開けてしまう。
私をまっすぐに見つめる朔くんの顔は、シーツの影のなかでも真っ赤と分かるくらいに染まっていて。
それは、耳から首元まで。
「あ、あのっ……」
何も考えずに出した声は震えていた。
だって……、だって……。
心臓が思いっきりバクバクしてる。
「朔くん……つき合ってる人……いるんだよね……?」
確認するように問いかけた私。
この目ではっきり見たんだから。
「それ、なんの話?」
目を丸くする朔くんに、私の方がもっと目を見開く。
「だって……この間……駅ビルで、キレイな先輩と一緒にいたのを見て……」
「え?」
一瞬、わけが分からないような顔をした朔くんだったけど、すぐに思い出したように
顔を歪めた。