溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

こんな人だと思わなかったのに。すごく残念。


「小春ちゃん、ここ、君の家なんだよね?」


それでも必死に顔だけをこっちにのぞかせて問いかけてくる。


それに答えるのは朔くん。


「ああそうだ。小春の家だ。でも俺の家でもある」


「えっ……」


私と朔くんを交互に見る。それは信じられないって顔で。


「もしかしてふたりは……」


ああっ。


一緒に住んでるってバレちゃった……?


「が、学生結婚……!?」


……はい?


とんでもないことを言うから、びっくりして声も出なくなる。


「はあ……?」


朔くんは、ちょっと呆れ気味。


「き、君たち、もしかして学校に内緒で結婚してるのか? 校則で、学生同士の結婚は禁止されているはずだっ、こんなことが学校に知れたら──」


学校のことなら何でも知っていると得意げになってそう言う平井先輩に、朔くんが呆れたように諭す。
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