溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「あ、そうなんですね~」
そう言うと、女はアッサリ引き下がった。
今までも、そんなに尖らなくたって良かったんだ。
小春を好きになって、小春とつき合えて、見えた景色がいっぱいある。
小春には、感謝だな。
段々日も暮れてきた。
小春……どこにいるんだ?
すぐに行ったらサキちゃんを待つ楽しみがなくなるかと思い、しばらく様子を見ようとしたんだが。
ここへ来たら、早く小春に会いたくてたまらない。
たしか、約束の場所は神社の境内へ上がる階段近くだった気がする。
階段にふたりで座ってわたあめを食べたことは、鮮明に覚えている。