溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「……いた」
思った通り。
でも、その顔は不安げ。
……だよな。
小春がここへ来てから、きっと1時間は経ってる。
時間を約束したわけじゃないが、会えるなら、そんなに遅くならないと考えるのが普通だよな。
今は5時過ぎ。
人の出も多くなってる今、ひとりで待たせるのははっきり言って、気が気じゃない。
あんなかわいい姿でひとりで立ってて、男がほっとくはずないもんな。
ほらほらほらほら。
そう思っているそばから、二人組の男が小春に声を掛けに行くのをこの目が捉えた。
クソッ。
俺の小春に近寄るんじゃねえっ!
俺は、サキちゃんのことなんて頭からすっかり抜けて、小春に近づいていた。