溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「さ、朔くんっ!?」
だって、朔くんだったんだもん。
「あー、彼氏いたんだ」
「わ、すげーイケメン……」
「お邪魔してごめんね」
男の人たちはそんなセリフを残すと、へへっと苦笑いしてこの場を去っていった。
朔くんは、男の人だって圧倒されちゃうようなイケメンだもんね……って、そうじゃなくて!
「どうしてここに?」
まだ不機嫌そうな朔くんを見上げる。
家で待ってるはずの朔くんがここにいることが、不思議でたまらない。
「小春、こっち来て」
朔くんは私の手を握ると、神社の境内へと続く階段を昇っていく。
「えっ……」
このタイミングでサキちゃんが来たらどうしようって……不安はぬぐえず、何度も振り返りながら階段を昇ると。
そこには、焼きそばや焼きトウモロコシを食べている人なんかもいて。
もしかして、朔くん……。