溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
浴衣も来ているし、背景もお祭り。その隣にいる子は、髪の毛は肩につくくらい長くて、とてもきれいな顔をしている。
それは、私の記憶の中のサキちゃんと一致している。
こんな写真を朔くんが持ってるってことは……。
「こ、この女の子……いやっ、こ、これ、朔くんなの?」
恐る恐る尋ねてみれば、苦笑いしながらうなずく朔くん。
「小春からこの話を聞いたとき、信じらんなかった。でも、俺もずっと覚えていて……まさか、その相手が小春だとは全然気づいてなかったからビックリした」
だんだんと状況がのみこめていく。
「サキちゃんは……朔くん、だったの……?」
今度こそ決意をもってそう聞くと、朔くんはゆっくり頷いた。
「ああ」
「うそっ……!」
驚きのあまり、持っていたカゴバッグを落としてしまった。