溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「ずっと勘違いしててごめんねっ……」
女の子に間違えられるのがイヤだったはずなのに、私だって10年間も女の子だと思ってて……。
「いいよ。10年間も、忘れないでいてくれてありがとう」
優しい朔くんの声。
「これからも、俺にはずっと小春だけ」
嬉しい言葉に、胸がきゅんとして止まらない。
「うん……私も」
そう返せば、嬉しいよって言ってくれているかのように、きつく抱きしめられた。
私、いまとっても幸せ。
"朔くん"が私の隣にいてくれるだけでいい。
それだけで……。
「じゃあ……屋台でも、見に行く?」
ゆっくり私の体を離した朔くんが、そう言って微笑む。
「うんっ」
目の前に伸ばされた手。
私はその大きな手を、ぎゅっと握り返した。
*END*