溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
香織さん……。


絶対そんなことないですから。


それ以外のことならなんでも手伝いますからそれだけは勘弁してください……!


とは、居候の身ではやっぱり言えなくて。


「わ、わかりました……」


仕方なく、私は今降りて来たばかりの階段を昇った。


そのとき、「あ、小春ちゃん!」と、香織さんが永瀬くんを起こすときの注意を伝えようとしていたことには気づかなかった。



はぁ……気が重い。


あれだけ冷徹人間の、悪い寝起きって、どんなふうになっちゃうのかな。


もしかして、めちゃくちゃ暴言を吐かれたりする?


そもそも、私が部屋に入る時点で怒られる気がするんだけど。


昨日、釘をさされたばっかりだし。


でも、香織さんの頼みだから仕方ないよね。
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