溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
──コンコン。


「……」


ノックしてみるけど、ドアの向こうは無反応。


……今日に限って奇跡が起きて、もう起きてるとかなかったか。


「失礼します」


一応、ちゃんと断ってからドアを開けて中へ入る。


白いカーテンからは朝陽が透けて、部屋全体を明るく照らしていた。


さらにカーテンの間から、光の線が顔の一部をダイレクトに照らすその様子は、まるでスポットライトが当てられているよう。


「キレイ……」


思わず、口から漏れた言葉。


だって、ほんとにキレイで。


永瀬くんは香織さん似なのかな。


女の子顔負けのキレイさに、自分がちょっぴりみじめになる。


って、そんなこと考えてる場合じゃなかった。


永瀬くんを起こすっていう最大の使命があるんだった!
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