溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「朝ですよ」


そっと声を掛けてみるけど、ピクリとも動かない。


……はぁ。


寝起きが悪いっていうからには、こんなんじゃ無理だってわかってたけどね。


「起きてください!」


声のトーンを上げても。耳元で叫んでみても。なにをしても起きる気配がない。


どうしよう。一体この人、どうやったら起きるの?


しょうがないから、揺さぶり作戦だ。


触れるのは不本意だけど、しょうがないよね。


「起きてください!」


指先を肩につけて揺さぶった時だった。


永瀬くんの手が伸びてきたと思ったら、私の腕をガシッと掴んで。


「きゃっ……!」


次の瞬間、私の視界は真っ暗になっていた。
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