溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「じゃあ、皆さんの好き嫌いとか聞いておきたいんですけど」


本気なのか、早速訊ねる相沢。


相沢の爪は、形こそ綺麗だが短く切りそろえられていて、ネイルも付いてない。


「そうね~、朔はハンバーグが大好物なのよね」


「はっ!? 好きじゃねーし」


爆弾発言をする母親に、俺は声を荒げた。


ハンバーグって、小学生じゃねえんだから。


女子の前でカッコつけたいとか、微塵も思ったことはないのに、急に恥ずかしさがこみ上げてきた。


「なーによー、急にカッコつけちゃって。ほんとのことでしょー」


「……っ!」


……まあ、否定はできねーけど。


「それから、朔はにんじんが苦手なのよ」


「おいっ!」


またしても、たまらず声をあげる。


んなことバラしてんじゃねえよ。


変に身体が熱くなってくる。
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