溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
そんな彼にノートを渡すなんてぜったいに無理!


あーもー、どうしよう。


本人がいなかったら机の上にぽいって置いとこうとしたのに、彼の席を中心に男子が集まっているから出来ないじゃん。


「小春ちゃん、なにしてるの?」


そんなことしていたら、通りかかった子に声を掛けられてしまった。


わわっ。


「あっ、ちょっとね……」


やっぱり怪しいよね、私。


へへっと笑ってごまかすと、彼女は首をかしげながら去っていった。


ほらっ!
永瀬くんのせいで、私ヘンな子って思われちゃったよ。


いつまでもこうしているわけにいかないし。


仕方ない。ここは諦めて渡そう。


「よしっ!」


意を決して教室に入った。
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