溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
ふふふ。こういうのっていいな。密かに笑っていると、


「……なんだよ」


尖った瞳でにらまれた。


「な、なんでもないですっ」


私は、肩を縮ませながらあわてて顔を正す。


いまいち、永瀬くんの取り扱い方がわからないんだよね……。


とにかく、私は"女"ってことで、嫌われてるのは間違いなさそう。


「じゃ、行ってくる」


私が半分も食べ終わらないうちに、永瀬くんは席を立った。


えっ、もう?


見ると、永瀬くんはすでに食べ終わっていた。


さすが男の子は食べるのが早いなあ。


私の方がずっと早く起きてるのに、先に行かれちゃうなんて、なんか納得いかない。


「どうせ同じところに行くんだから、一緒に行けばいいのに~」


のん気に笑う香織さんの言葉にドキッとした。
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