溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「そんなもんなのかしらね~?」


香織さんは、首をかしげながらコーヒーをすすった。


そして、独り言のようにつぶやく。


「やっぱりお姉ちゃんたちの影響よね~」


「え? お姉さん?」


「そう、上に7つ上の双子のお姉ちゃんがいるの。あ、もう二人とも社会人でこの家は出て行っているんだけどね。朔は、小さいころからお姉ちゃんふたりのおもちゃにさせられてたのよ。女装させられたり、いい様に使われてたわ」


そのときのことを思い出したのか、くすっと笑う香織さん。


「ええっ? そうなんですか?」


「だから、女の子に対してはかなり警戒心強いんじゃない?」


「はい! その通りです」


女子が苦手だとは思ったけど、お姉さんたちの影響だったのか……。
< 73 / 326 >

この作品をシェア

pagetop