溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
てっきり、永瀬くんはひとりっこだと思っていた。


部屋の数が多いのも、私の部屋の机が年季入っているのも……お姉さんがいるからか。

「あっ、もうこんな時間! 私も行ってきます」


時計を見れば、もう家を出る時間になっていた。


私は食器を片付けて、カバンを肩に掛ける。


「気をつけてね。はいこれ、お弁当」


そう言って手渡してくれたのは、ピンク色のバンダナに包まれたお弁当。


私は、お辞儀をしてから受け取った。昨日も作ってもらっちゃって申し訳なかったな。


「ありがとうござます。あの、明日からは自分で作りますね」


そんなことまでしてもらうわけにはいかないし、そう言ったんだけど。
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