溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「どーしたの、ため息なんてついて」


注意力が鋭い蘭子ちゃんが、そんな私を見逃すはずもなく。


「な、なんでもないよっ」


「あやしー」


真希ちゃんまでっ。


でも、同居しているってことはふたりにもヒミツだから、詳しくは言えない。


「き、期末テストもうすぐだなーって思って」


咄嗟に口からでたそれは嘘じゃない。


7月に入ったらすぐにテストが待っている。夏休みが来るのは嬉しいけど、テストのことを考えたら憂鬱だよ。


私、そんなに勉強は得意じゃないし。


はっ……!


今気づいたけど、今年の夏は永瀬くんの家で過ごすことになる……ってことは、顔を合わせる時間も多いってこと!?


それは厳しいっ……!


「ねえっ、夏休みいっぱい遊ぼうね!」


だから、ふたりと遊ぶ約束を入れておかなきゃと思ったんだけど。
< 77 / 326 >

この作品をシェア

pagetop