溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「あーごめん。私はこの夏がっつり稼ぐ予定で、バイトのシフト沢山入れちゃったんだよね」


真希ちゃんがそう言えば、


「私は毎年、夏は親戚の別荘で過ごすことにしてるの」


と、蘭子ちゃん。


「えー、そんなあ」


ってことは私、夏休みの間遊ぶ友達いないの!?


ガックリと肩を落とす。


はぁぁぁ~、夏休みは朝から図書館に入り浸りになるかも……。


「でもさ、小春は夏祭りっていうビッグイベントがあるんだから!」


ポンポンと真希ちゃんに肩を叩かれれば、私は一気にテンションが上がった。


そうだ!


8月に地元で行われる夏祭り。


毎年行っているけど、今年は特別なの。


6歳のときに、お母さんの友達と一緒に出掛けて、友達の娘で同い年の『サキちゃん』ていう子と仲良くなったんだ。


地元の子じゃないから、会うのも初めてで。
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