溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
……のはいいけど……。


やっぱり彼を目にした瞬間、湧いた勇気は一気にしぼんでしまう。


永瀬くんの周りには、見えない氷のバリアかなにかがあるんじゃないだろうか。


近寄った瞬間、跳ね飛ばされちゃう……みたいな。


私今日、生きて帰れるかな……。


なんてバカげたことを考えながら、ああでもないこうでもないとあぐねていると。


「アレ、朔が探してたノートじゃね?」


グループのなかのひとりがそんなことを言ったものだから、彼らの目が一斉に私の方へ向けられる。


わわわっ。
気付かれちゃったよぉ……。
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