溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
これで、トイレにでも入られたらシャレにならないよね……と、永瀬くんは階段を上がっていく。


もしかして、購買にパンでも買いにいくの? でも、さっき絶対気づいたよね?


仕方なく私もそれに続くと、もう教室はない屋上へ続く階段を上がっていく。


え? どこに行くつもり?


私は周りに誰もいないのを確認して、そのあとを追う。


見失っちゃったら困るし、タッタと駆け上がり踊り場曲がると。


──ドンッ。


「うわっ!」


黒い塊にぶつかってしまった。


いたたた……と鼻の頭を押さえると、頭の上から声が降ってきた。


「その弁当、俺んだよね」


……その塊は永瀬くんだった。
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