溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
えっ、それって……。


「でね、本当に悪いんだけど、しばらくは朔とふたりで生活してもらうことになっちゃうのよ……」


「……!」


驚きで、一瞬言葉をなくす。


私と永瀬くんがこの家でふたりっきり!?


いやいや! そんなのムリだよ!


「ほんとにごめんねえ……」


でも、香織さんのお母さんの緊急事態。


行かないでくださいなんて言えるわけないし。


どうしたらいいの!?


「ただいま……って、なにしてんの?」


そこへ永瀬くんも帰ってきて、私と同じように疑問をぶつけた。


「あ、朔。おかえり。実はね……」


私に伝えたのと同じことを説明する香織さん。


「えっ……」


当然のように、絶句する永瀬くん。


直立不動で固まっている。


……だよね。私とふたりなんてあり得ないよね。


ただでさえ女子が苦手なのに。
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