溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
そう思っていると、あり得ない声が聞こえてくる。


「ま、そーゆーことならしょうがねえよな」


ドカッと床に座り、香織さんの荷造りを手伝い始めたのだ。


ええっ? 
 

……本気で言ってるの?


外では女ギライを発動しているけど、女きょうだいの中で育ったわけだし、実は慣れててそんなにイヤってわけでもないとか……?


「小春ちゃん、ごめんね。なるべく早く戻って来れるようにするから」


永瀬くんがいいって言うなら、私にイヤなんて言う権利なんてなくて。


「は、はい」


そう言うしかなかった。
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