溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
風呂場には、見慣れないシャンプーが置かれている。


母さんが相沢のために用意した物。


女の子なんだから安いシャンプーじゃ嫌でしょ……そんなことを言って、買ってきたものだ。


ボトルにはバラの絵が描かれていて、いかにも女子って感じのシャンプー。


女ってめんどくせーのな。


俺はいつものシャンプーで頭をごしごし洗った。


スウェット姿で、タオルを首からかけて風呂から上がると、リビングからはものすごくいい匂いが漂っていた。


ぐうう、と腹が鳴る。


「あ、もうすぐハンバーグが焼けるので、テレビでも見て待っててくださいね」


「お、おう」


ソファに座ってテレビのリモコンをあちこち動かしてみるが、内容なんてちっとも入ってこない。
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