同居中のイケメン幼なじみが、朝から夜まで溺愛全開です!
「ご、ごめん……っ!」
今野くんの腕をつかんだままだったのを自覚して、パッと手を離す。
あまりの動揺っぷりに、今野くんに笑われてしまった。
うぅ、恥ずかしい……。
「あの、巻き込んでごめんね……」
「俺はいーけど、成瀬は大丈夫?」
わたしの心配までしてくれるなんて。
「うん……大丈夫、だよ」
「とてもそんな風には見えないけど? ま、あんまり思い詰めるなよ?」
「わかってる……」
だけど、あの子たちが言ってることはまちがってない……。
「モテる男の彼女ってのも大変だな」
毎朝のように千景くんが教室まで送ってくれるので、同じクラスの今野くんがそう勘違いするのも無理はない。
「彼女じゃ、ないよ」
「え?」
「わたしは、千景くんの彼女なんかじゃないから」
彼女だなんて、おこがましいにもほどがある。
わたしなんかが彼女だと勘違いされることだって、千景くんに対して申し訳ない。
千景くんにはもっと可愛くて、きれいで……身の丈に合ったふさわしい人がいるはずだ。