同居中のイケメン幼なじみが、朝から夜まで溺愛全開です!
『あのね!』
ただでさえまんまるい目を大きく見開いて、その子は目を輝かせた。
『ネコちゃん追いかけてたの! 見なかった?』
そばまで駆け寄ってきて、期待に満ちた目を向けられる。
邪気や悪意というものがひとつも感じられない、子どもらしい澄んだ瞳。
『さぁ?』
そう告げると、期待に満ちた目がどんどん曇っていくのがわかった。
ガックリと肩を落として、ひどく落ち込んでいる。
『きみんちのネコなの?』
『ううん……ちがうよ』
ちがうのに、どうしてそこまで落ち込んでるのか意味がわからない。
『ケガ、してたから……』
ケガ……?
『足から血が出てたの』
よく見ると綾乃の手に絆創膏が握られていた。
もしかして、ネコに手当てでもしようとしてたの?
なんなんだ、こいつは。
バカ、なのかな。