同居中のイケメン幼なじみが、朝から夜まで溺愛全開です!
『見つからないってことは、大丈夫ってことでしょ』
今にも泣き出しそうだった悲しげな女の子の顔が、キョトンとなる。
『逃げるだけの力があるなら、きっと大したことないケガなんじゃない?』
俺の言葉を呆然と聞いていた綾乃の目に、徐々に輝きが戻ってくる。
『……そっか! そうだよね。よかったぁ』
ホッと息を吐き出す綾乃のコロコロと変わる表情。
理由なんてないけど、そんな綾乃に釘付けだった。
『わたしは綾乃。きみは?』
『……ちか』
『ちかちゃん? 可愛い名前だね!』
純粋な綾乃の笑顔に、小さな心臓がキュンと音を立てる。
名前はほぼ無意識に答えていた。
人一倍警戒心が強くて他人と打ち解けるのに時間がかかるのに、不思議と綾乃には壁を作ることもせず。